韓国政府は３０日、金養建（キム・ヤンゴン）北朝鮮労働党対南担当書記兼統一戦線部長が死去したことを受け、洪容杓（ホン・ヨンピョ）統一部長官の名義で弔意を表す通知文を送った。

洪長官は通知文で「８月の南北当局者接触で意味のある合意をした金養建党書記兼統一戦線部長が死去したという消息に弔意を表す」と明らかにした。統一部は午前１０時４０分に通知文を北朝鮮統一戦線部あてに送った。北朝鮮官営朝鮮中央通信がこの日午前、対南業務を総括してきた金養建書記の死去を発表してから３時間後だ。

統一部の当局者は「木箱入り地雷事件後に高まった南北緊張を解消した８・２５合意の当事者だった金養建書記の重量感を考慮し、弔電を送ることにした」と述べた。政府が北側主要人物の死去に対して統一部長官名義の通知文を送ったのは今回が３回目で、２００６年の林東玉（イム・ドンオク）統一戦線部第１副部長の死去以来９年ぶり。２０１１年の金正日（キム・ジョンイル）総書記死去当時に統一部報道官が「北の住民に哀悼の意を表する」という談話文を発表した。

これに先立ち朝鮮中央通信は「金養建同志が交通事故で主体１０４（２０１５）年１２月２９日６時１５分、７３歳を一期に惜しくも逝去した」とし、金養建書記を「偉大な首領金日成（キム・イルソン）同志と偉大な領導者金正日同志の忠直な革命戦士」「敬愛なる金正恩同志の最も近い戦友」と称した。

国家情報院は３０日、金養建書記の死因について国会情報委員会の報告で「彼が金正恩委員長と反目してきたという兆候は全くなかった」とし「現在としては交通事故以外の可能性を考えていない」と述べたと、複数のセヌリ党情報委員が伝えた。

北朝鮮は金養建書記の葬儀を国葬として営むことにし、葬儀委員会を設けた。葬儀委員長は金正恩（キム・ジョンウン）第１書記。金正恩の最側近であり対南通の金養建書記は８月、黄炳瑞（ファン・ビョンソ）北朝鮮軍総政治局長とともに青瓦台（チョンワデ、大統領府）の金寛鎮（キム・グァンジン）国家安保室長、洪容杓（ホン・ヨンピョ）統一部長官と板門店（パンムンジョム）で会い、８・２５合意を導いた。